20140411  100万都市投下なら推計37万人即死

2014-04-11 62

長崎に投下された原爆のおよそ50倍の破壊力がある核兵器が、仮に人口100万人の都市に投下された場合、およそ37万人が即死すると推計されることが、被爆医療の専門家などが行ったシミュレーションで明らかになりました。

このシミュレーションは核兵器の非人道性を検証するため、外務省が被爆医療や放射線物理学、それに都市工学などの専門家の研究グループに委託して行われました。
想定は、人口100万人の現代の都市の上空で、冷戦期の戦略核ミサイルと同じ1メガトンの破壊力がある水爆が炸裂したというもので、破壊力は長崎の原爆のおよそ50倍、広島の原爆のおよそ60倍に当たるということです。
研究グループの代表で、長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長によりますと、長崎や広島の原爆被害のデータなどを基にシミュレーションしたところ、爆風は爆心地から18キロ、熱線は14キロの範囲に及び、37万人が即死、46万人が負傷すると推定されるということです。
さらに爆心地から3キロ圏内にいる3万6000人が放射線の影響を受け、白血病になる人が通常より70人、がんになる人は650人増加するとしています。
そして、公共交通機関や医療機関、学校などの社会基盤は1キロ圏内では完全に破壊され、10キロ圏内でも部分的に破壊されるなど、復興は長期間見込めないと分析しています。
この研究の報告書は12日、広島市で開かれる「核軍縮と核不拡散に関する外相会合」に提出されます。